林 寛徳

人事部の仕事というと採用や給料計算等をイメージする事が多いと思いますが、私の所属する労政課では①社員の勤務管理、②法律の改定や世間の潮流等に合わせた社内制度の検討、③労働組合対応等、社内の労務全般を請け負っています。具体的には、社員の勤務記録を確認し、法律や社内ルールを逸脱していないか、残業代の未払いが発生しないか等を確認しています。また、法律の改定に即して社内制度を整備する事や労働組合と話し合いを行い、社員の働き易い環境を整える事も労政課の仕事です。春になるとニュース等で「春闘」や「ベア」という言葉を耳にした事があると思いますが、「春闘」も労働組合と社員の給料について話し合いを行う場になります。他にも社員の悩み相談等も行っています。社内を内側から支える仕事ですのであまり目立つ事はありませんが、社員が安心して働く事のできる環境を整える仕事なので、とてもやりがいと責任感のある仕事です。

これまで担当した業務の中で最も印象に残っているのは働き方改革への対応です。働き方改革関連法という法律が2019年4月に施行された為、この法律に沿った形で社内制度等を変更する必要がありました。ここまで大規模な変更が行われる事は滅多になく、抜本的な変更が求められた為、まずはこの法律を勉強し、理解する事から始まりました。内容が理解できたら次は日新のルールが適法なのか、違法であるのかを判断し、違法なものについては適法となるように制度の改定を行いました。同時に、社内の各営業所で説明会を開催し、変更内容の周知に努めると共に社内システムの改修も並行して進めました。法律で期限が定められた待ったなしの状況だったので、非常に緊張感を持って業務に取り組む必要がありました。変更後、当面の間は各職場からの問い合わせが絶えませんでしたが、今ではそのような問い合わせもなく、無事に軌道に乗せる事ができたのでホッとしています。

現在の仕事を行う上で気を付けている点は大きく3点あります。一つ目は親身になって社員の言葉に耳を傾ける事です。社員の方は社内制度を全て理解している訳ではありませんし、法律や社内制度が変わると不安に思う方もいます。色々な疑問や不安を持った方から問い合わせを頂くので、その内容を十分に理解し、適切な回答ができるように心がけています。その上で、二つ目として軸のぶれた回答をしないように気を付けています。なぜなら、軸のぶれた回答をする事で社内が混乱してしまうからです。社員の皆さんは色々な事情をお持ちですが、社内秩序を保つ為にも時には心を鬼にして、一貫した姿勢を崩さない事が大切になります。また、その為にも法律や社内制度を十分に熟知しておく事も必要になります。最後はバランス感覚です。社内には多くの人、職場が存在し、その数だけ価値観が存在します。各々の価値観のバランスを考慮しながら、制度等を検討しています。

ありきたりな話になってしまうかもしれませんが、最大の魅力は取り扱う商品分野の範囲が多岐に及んでいる点だと思います。自動車、化学品、食品、プラント設備等、ここまで異なる分野を取り扱う事のできる業種は他にはないのではないでしょうか。また、これら全てが私たちの生活には必要不可欠なものであり、その分、社会への貢献度を日常生活の中で感じる事ができます。”世の中の役に立っている”という感覚を日々肌で感じながら仕事を行う事ができるのは物流業界ならではの面白さだと思います。

学生時代、就職活動を進めていく中で最終的に日新を選んだ理由は、日新の「人間味のある温かい雰囲気」に魅了されたからです。実際に入社してみると、入社前とのギャップを感じるという話は就職活動中もよく耳にしましたが、日新に限ってはそのような事もなく、入社前のイメージ通りの同僚に囲まれ、日々楽しく業務に取り組む事ができています。そのような雰囲気のおかげか人間関係を含めて非常に風通しが良く、休暇も気軽に取得する事ができています。また、困ったときには気兼ねなく質問する事もできますし、やりたい事があれば背中を押してくれる環境も整っているように感じます。私事ですが、私が結婚式を挙げた際、職場の上司や同僚から当日に祝電が届いていたときは非常に感動した事を今でも覚えています。日新の「人間味のある温かい雰囲気」は在籍期間を重ねる毎により強く実感する事のできる、深みのある魅力だと思います。

日新の事も法律の事もまだまだ知らない事ばかりなので、まずは今以上に知識を増やしていかなければならないな、と常々感じています。人事部は社員の皆さんが各々の業務に集中できるようにフォローしていく事が仕事だと考えているので、皆さんの疑問や不安を少しでも払拭できるような存在になりたいと思います。その上で、将来的には能動的に職場環境を改善に繋がるような社内制度の立案等を進めていけるようになれたら良いと思います。