新幹線を利用した細胞のテスト輸送を実施【新青森駅~東京駅間】~医薬品物流にさらなる品質向上と迅速性を提供~
2025年07月31日
株式会社日新(以下 日新)、千代田化工建設株式会社(以下 千代田化工建設)、東京海上日動火災保険株式会社(以下 東京海上日動)は、3社共同で新幹線を利用した細胞のテスト輸送を行いました。
本件は医療分野において、さらなる輸送品質の向上と迅速な物流サービスの実現を目指したものです。各社の専門性を持ち寄り、実運用を想定したテスト項目を定め、パナソニック株式会社の高機能保冷容器「VIXELL」を利用し、株式会社ジェイアール東日本物流の新幹線による荷物輸送サービス「はこビュン Quick」を活用して新青森駅から東京駅の区間で実施しました。また神栄テクノロジー株式会社の協力も得て、輸送中のデータ分析を進めております。
テスト輸送:概要
- 日付
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7月1日(火)~2日(水)
- テスト輸送区間
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7月1日(火) 神奈川県横浜市~東京駅~新青森駅(ハンドキャリー輸送)
7月2日(水) 新青森駅~東京駅~神奈川県横浜市(はこビュン Quick及びハンドキャリー輸送)
- 輸送物
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ヒト骨髄由来間葉系間質細胞
- 輸送条件
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「VIXELL® Type-S(+15~+25℃、DRY ICE対応)」




テスト輸送の背景と各社の役割
- 株式会社日新
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1938年創業の総合物流企業として、国内外23ケ国のネットワークでDoor-Doorの物流サービスを提供する他、パートナー企業を通じて、全国のコンテナ取扱い駅で通運事業も手掛けております。
医薬品物流事業においては、細胞の超低温輸送ニーズに対応するため、2021年よりパナソニック株式会社のVIXELLを用いた輸送サービスを国内外で提供してまいりました。
今回のテスト輸送では、株式会社ジェイアール東日本物流の新幹線による荷物輸送サービス「はこビュン Quick」の運送約款を遵守しつつ、医療分野の輸送においての実用性について検証しました。
- 千代田化工建設株式会社
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1948年創業の総合エンジニアリング企業で、創業当時より医療分野の施設建設にも参入。ライフサイエンス事業部バイオ・医薬事業セクションは、医薬品製造・研究施設建設で培った実績と知見を活かし、異業種の技術も応用し課題解決を支援する部門です。細胞に関する深い見識を持ち、今回のテストでは、輸送が細胞に与える影響を分析することで、安心・安全な輸送方法の評価に貢献しました。
- 東京海上日動火災保険株式会社
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1879年創業の損害保険会社です。同社のコマーシャル損害部ロスプリ&テクノロジー戦略チームは、人間工学に基づいたロスプリサービスを提供しており、現場調査から事故防止策の提案まで多岐にわたる活動を行っています。今回のテストでは、その高い分析能力と豊富な経験から、細胞輸送におけるデータ計測と分析を行いました。
今後の展望
医薬品・メディカル分野の輸送は、創薬技術の向上や再生医療の普及に伴い、温度や衝撃など取扱管理を伴う需要が拡大しております。一方、労働人口の減少や物流の「2024年問題」といった課題により輸送時間やコストの増加が懸念されています。
本実験では、新幹線の活用により定時性が確保できるほか、トラック輸送に比べて利便性が高いことが確認できました。
また、これまで保冷トラックや保冷容器を使ったハンドキャリーで多くの時間をかけて少量の荷物を輸送していた案件を、新幹線荷物輸送サービスに置き換えることで担い手不足への対応並びに環境負荷の低減にも寄与いたします。
3社は、今回のテスト輸送で得られた知見を基に、鉄道輸送に関する規則に準拠した新たな輸送サービスの構築に向けて今後も連携してまいります。
【本件に関する問い合わせ先】
株式会社日新 DX推進部 医薬品事業推進課
四十坊、前川
TEL:03-3238-6549
まずはお気軽にお問い合わせください。担当営業より詳しくご説明させていただきます。