3社共同実証実験輸送 超低温保冷容器とIoTと組合せて輸送状態を可視化した国際輸送実験を実施

2021年12月29日

 株式会社 日新(本社 横浜市、以下:日新)は、スズケングループ(本社 愛知県名古屋市東区、以下:スズケン)と共同で、パナソニックの真空断熱保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」※1 を活用し、高品質な輸送品質が求められる医薬品の国際輸送を想定した輸送実験を実施いたしました。

背景

 コロナ禍によるワクチン輸送に代表されるように、医薬品の国際輸送ニーズが増大しております。医薬品輸送ではGDPの導入が進み厳格な温度管理が求められてきており、高品質な超低温輸送を実現し、加えて輸送状態の可視化サービスが望まれております。
 今回、国際輸送、国内輸送における各社が得意とする分野の知見を持ち寄り、今後ニーズが見込まれる国際間の医薬品輸送について、パナソニックの協力のもと、高断熱構造で長時間保冷を可能にする「VIXELL」と日新が導入を検討するIoTデバイスを組み合わせた輸送実験を行いました。

実験詳細

①実施期間

2021年9月14日 ~ 9月22日

②使用機材

パナソニック製「VIXELL」Lサイズ 1台、Sサイズ 1台(計2台)
IoT機材ゲートウェイとセンサータグを使用

③輸送区間

スイス・バーゼルからスズケン・阪神物流センター(神戸市北区)まで

④設定条件

「VIXELL」の容器内温度をドライアイスでマイナス60度以下に設定
親機に国際ローミング可能なSIMを挿入し、センサータグを「VIXELL」の外面のポケットに設置して、測定ポイントを通過する際に計測を実施

⑤検証内容

A・・・「VIXELL」の温度維持能力試験
B・・・海外、国内でのIoT通信とタグのセンサー機能の検証(温度、湿度、照度、傾き、衝撃度ならびに充電残量)
C・・・国際一貫輸送における許認可、通関上の課題・問題点

⑥その他

9月23日から10月4日までVIXELLの保温機能の実験として日新・京都営業所(京都府下京区)で保管し計測を継続

輸送フロー

イラスト(スズケン・パナソニック).png

検証結果

A. マイナス60℃の保温時間

Lサイズは19日+3時間 、Sサイズは9日+12時間に渡ってマイナス60℃を保持することが確認できました。※2

B. 3カ国それぞれの計測ポイントでIoT通信データ取得

センサータグが計測したデータがスイス、ベルギー※3 、日本の各ポイントから通信網を通じてクラウドに格納され、スズケン・阪神物流センター到着前にセンサー情報(温度、湿度、照度、傾き、衝撃度ならびに充電残量)をインターネット管理画面で確認することができました。

C. 税関に「VIXELL」を「通い容器」として申告

事前に税関に相談を行い、「VIXELL」を「通い容器」として申告し、免税で輸入許可を得ることができました。

今後の対応

 今回の実証輸送の結果はパナソニックの「VIXELL」HPで公開するとともに、3社の実証実験で得た知見やノウハウを活かし、医薬品業界のニーズに沿った国際物流の実現に向けて取り組んでまいります。(HPの公開は2022年1月上旬を予定しています)

(脚注)

  • 「VIXELL」パナソニックが開発したは真空断熱筐体(VIC)の技術を用いた超低温保冷容器で、マイナス70℃を最長18日間の超低温保管・輸送が可能。国内のワクチン輸送で実績のある機材です。

  • 温度計測用の温度ロガーは航空会社の航空機搭載可能な機器を選定して使用しました。

  • 日新海外現法NISSIN BELGIUM N.V.は、2021年2月にGDP(Good Distribution Practice)の認証を取得いたしました。

【本件に関するお問い合わせ先】

事業戦略部・物流DX推進室

担当:田原、原口  TEL:03-3238-6583

お客様のニーズに合った最適な輸送ルートや輸送方法、保管、引越のご提案をいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。担当営業より詳しくご説明させていただきます。